辻谷商店の中には通称「Katz商店」とでもいうべきコーナーがあって、それがこのCD、楽器、DVDを並べた一角です。突発的に、しかも頻繁に並べ替えが本人によって行われるのですが、一体どこがどう変わったのか私の目からはかわからないのが正直なところ。「なんだか気の流れが変わったきがするう」とかいって、並べ替えが終わって満足そうなその人に感想を述べるのが関の山、なわけですが、CDなどはそのジャケットを眺めているだけでもかなり面白い、そんなコーナーです。
それでも、この一角でなにかに取り付かれたようにいつまででも動かない方や、宝物を見つけたとばかりに2枚組みレコード(レコードですよ!)を手にしてお連れ合いに買ってもいいかの承諾を得てレジに並ぶ熟年の男性などもおられたりするのですね。こういう方たちに、モチベーチョンも含めて支えられている、そんな気がします。このコーナーに関する志はHPの「MUSIC」のページに書かせて頂いていますので、ヨロシクお願いいたします。
昨年あたりから、ドキュメンタリーDVDの取り扱いも増えてきました。店主の一人でありながらファンでもあるドキュメンタリーの棚。写真、解説を読んでいるだけでも、もう素通りするわけにはいかなくなってしまいます。知らなかったことに心が向いたり、知っていると思っていることが間違いだったのかもと思ったり、本当のことってどこにあるのだろうと思ったり。ドキュメンタリーDVDのジャケット1枚1枚が、どこかへ続く扉のようにも思えてくるのは私だけでしょうか?なかなか目にすることのできないものも沢山ならんでいると思いますので、興味のある方は是非覗きに来て下さい。
では、最近観たDVDを2本ご紹介します。
「未来を写した子どもたち」 BORN INTO BROTHELS 監督・製作ロス・カウフマン/ザナ・ブリスキ
インド・カルカッタの売春窟に生まれついた子どもたち。ある日子どもたちはカメラと出会い、自分たちに無限の未来と希望があることを知る。
このドキュメンタリーは、最近WOWWOWでも放映されているそうですが、DVD(特別版)には撮影から3年後の子ども達の再会映像や、出演者の一人でフィルム中でもひときわ魅力的な存在であったアヴィジット君の来日時のインタヴィーも収録されています。本編を観た後のこの特典映像がまた本当に素晴らしくて、人は、環境や教育や希望を持つとこによって、こんなに成長していくものなんだなあと感動しました。とにかく一人一人の子どもたちが魅力的で、インスピレーションを得たいときにも何度も観てしまうくらい大好きなフィルムです。この特別版には、子ども達の撮影した写真がポストカードになって入っています。
「女工哀歌(じょこうエレジー)」 CHINA BLUE 監督・撮影ミカ・X・ヘレト
これは現代の「蟹工船」か?世界の工場=中国の舞台裏に迫る驚きのドキュメンタリー!女工たちの平均年齢15歳。中国製(メイドインチャイナ)の裏側に迫る!
自給7円という低賃金で、欧米諸国へ出荷するジーンズをほとんど休む間もなく作り続ける少女たちを観て、最近の激安衣料の裏側を目の当たりにすることになります。どう考えても安すぎる、
そう思いながらも安さに心奪われて、そのことの意味を考える思考力まで失っていないか、はたまた、企業努力の賜物だと思わされていないかと、自分や身の回りを取り巻くものを振り返る再スタート地点を与えてくれる作品
だと思います。また、中国をはじめ、アジア諸国は賃金が安いから商品も安く製品にすることができると当たり前のように思っているが、いくらなんでも自給7円なんて、それすらも未払いになりがちな状況を作り出しているものはなんなのか。商品を取り扱う職業としても、常にアンテナをはっていなくてはならない現実だと感じながら観ました。また、「情けないネコ」の記事でも書きましたが、こうゆう状況のもとで作られた可能性のあるものに対する想像力と愛情を、エゴかもしれないと思いつつも持ち続けていきたいとも感じさせてくれた作品でした。
他にも興味深い作品が沢山ありますので、時々ご紹介させていただきます。 あや
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