もう慣れたものでしょう。。。と声を掛けて頂きますが、
新しい命を迎えるたびに、その小ささと頼りなさに心細くなります。
さあ、どうしたものかと取りあえず乳を含ませ、何やらまた大変なことをしてしまったんじゃないかと途方に暮れる夜もあります。
月日や経験を重ねれば重ねる程、器用で心丈夫になるというのは、
どうも私たちには当てはまらないことのようです。
不十分さを思い知り、あの日に始まったと思っていたことの
出発点にさえも立って居なかったことに気がつくばかりです。
それにしても、生まれたての人間の赤ん坊というのは、
本当に何一つひとりではできない。暮らしていくためのおおよそ全てのことを
誰かにやってもらわなければ、明日の命もわからない。
ただただ、側に居る人に身を委ねて、1日の大半を睡眠している。
そんな危うい立場であるのに、何の根拠もないのに、全身全霊で私たちを頼りにしています。
誰かに必要とされ信頼されることが、こんなにも人をシアワセにする。ということを、
道具ひとつ、言葉ひとつ使わずに、思い出させてくれるのです。
辻谷商店・つじや食堂は、この春15年目を迎えます。
時の流れや家族の色々と共に、少しずつ形をかえてゆきますが、
志はそのままに。。。
末永く、どうかどうか、よろしくお願い致します。
店主K+Aより
2013年 春