11月の道東は、晴れた日でも太陽の日差しは低く、そして大抵は鉛色の空にかすかな圧力を感じるような毎日です。暗い、といってしまえばそれまでですが、数少ない色彩の中にも、色々な感触があることを教えてくれる季節でもあります。日照時間が目に見えて少なくなっていくこの季節は、南国生まれの私には何年もこたえましたが、ここにきてやっと折り合いをつけることができてきたように思います。
この季節に隠れた色を見つけることができるようになったのと同時に、いままで知らなかった世界やキモチが次々とリンクされていって、表面的には静かで穏やかな毎日ですが、心の中はざわついていることも自覚しつつ。今朝はフレンチトーストとスープを焦がしてしまい、自分の心のざわつきをそっと悟られてしまった感がありました。そして気を取り直してもう一回焼き始めたフレンチトーストも、気がつけば1度目よりも派手に焦がしてしまうといったありさま。どこまでもキモチというのは付いて回ってくるのだな、と可笑しくもありました。
子供達が出かけてしまった後、庭のモミジの木を仰ぎました。殆どの葉っぱが地に落ちて大地の養分となろうとしているのに、まだまだ往生際の悪い葉が、心細げにかろうじて枝にぶら下がっています。果たしてどの1枚が最後まで残っているんだろうな、と思いながら毎日眺めています。
放置されたプランターからは、巨大な葉っぱが伸びています。「ベイビーリーフ」として売られていた種を初夏に薪きましたが、夏から秋にかけて放置していたキモチがそのまま膨らんだみたいに巨大化し、この寒さの中でも今だ青々として伸びています。今晩つんで、お味噌汁の中にでも入れたら食べられるかなあ。
いつも同じ顔をして庭に座っているラクダもそろそろ納屋に入れてあげないとね。秋の始めの頃は、このラクダに乗って夜中のメタリックなお月様を何度も見上げました。ありがとうね。
なんとなく寂しい季節ですが、あえてピカピカした場所には行かず、心静かにこの季節を享受したいと思います。私達に繋がっている全ての見えない糸に感謝して。
季節を享受する。
言葉が、とても美しくて、
伝えたくなりました。
ありがとうございます。
投稿情報: naj | 2010/11/12 17:07
najさま
お伝えくださってありがとうございます。お顔もお住まいも存じ上げませんが、この空の下、明日も素敵な1日をお過ごしくださいますよう、お祈りしております。きれいなキモチというのは、ホンノ小さなことでも伝えたり伝えられたりすることが何て力になるのだろうと実感しています。心から、嬉しかったです。どこかでお会いできますように・・・・。
投稿情報: あや | 2010/11/12 18:37